駆け込まれる家入
「。腹に子供できてるよ。気付いてた?」
「え………え?」
「だから、胎に呪力籠もってるって。僕との子だね。……どうしよ、すごい嬉しい」
「え…………」
*
「硝子おおおおお!!」
五条が、五条で、五条の、その、うわああああ!!
バァンと医務室の扉をあけ放ったが取り乱している。ここまで取り乱しているは久しぶりだな。
「落ち着け。どうした?」
「エコー。エコーして。お腹」
「ほう」
妊娠かな。そうに違いない。顔色は……真っ青だな。まあ焦ってるみたいだし、本人から吐き気がするとかどうだとかも全く聞いたことが無いから、それっぽくはないけど。まあ出来てもおかしくないだろう。つーか、出来ない方が本来は生物的におかしい。ピル飲むの忘れたのかな。
が機械を引っ張り出してきてベッドへ寝そべった。いつもなら嗅ぎつけてやってきそうなもんだけど。次いで扉が開け放たれないな。そんなことを思いながら彼女の腹にゼリーを塗って診察する。
……うーん。何をどう見ても。どこからどう見ても。
「……なにもないな。健康な子宮がうつってるぞ」
えぇ……。困惑した顔でが起き上がった。どういう感情だろ。出来てなくてドンマイなのか、出来てなくて良かったななのか、私はどっちを言えばいい。
は傾げた首を落としそうにしながら、その辺をウロチョロし始めた。まあ確かにまだ可能性はゼロじゃないしな。ああそうそう、検査薬は確かそのへんだったはず。
「検査薬も……無かった」
「おかえり。ドンマイって言った方がいい?」
「いや、祝って!? 良かった……でもなんで五条はあんなこと……」
「何か言われたの?」
「胎に呪力見えてるって…妊娠してるよって言われた」
心底意味が分からんという顔をして、がへなへなとベッドに腰を落ち着けたのを見て、私はパソコンに向かい直す。五条が意味不明なのは今に始まったことじゃない。学生時代は言わずもがな、大人になった今では“ちょっとしたイジワル”の倫理が消し飛んでしまったクズだ。
入力どこまでやったっけなあ。あ、日付を入れるところからだ。あ。……あ? あ。
「。今日の日付、言えるか?」
「4月1日……あっっっ」
アーーーーー!!!!!騙された!!!!!とが叫びながら勢いよく立ち上がり、ありがとう硝子!!ちょっと五条殴って来る!!と医務室を後にしていく。
「御愁傷様」
五条もそういう嘘はやめておけばいいのに。
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