みんなでハンバーグ食べる
びっくりモンキー。店員が全員非術師の猿だもんね、中々センスのある店名だね^^って言った傑は、曰く猿が調理したビッグ和風ハンバーグを、よっつに切って、4口で食べ終わろうとしている。大根おろしとかしめじを交えてフォークでブスッと。大口で。私は向かい斜めの傑を眺めながら、硝子の頼んだサラダをつまんでいる。
「アチッ、チッ……アチィな!! 鉄板押し付けたらウェルダンなんじゃん。熱すぎ。鉄板じゃなくていーんだけど」
「葉っぱも焼けば?」
「取り皿に取れよ焼き野菜にすんな! つか硝子ハンバーグ屋でステーキ食うか普通」
「お前こそ、お子様ランチじゃなくていいのか?」
「さっすが硝子分かってる、僕旗立ってんのが好きなんだよネ……なんて言うとでも思ってんの~??」
お肉をじゅうじゅう手元の鉄板に押し付けながら隣でステーキを食す女、硝子がもぐもぐしながら、猫舌でぴぃぴぃ言ってる五条の手元のチーズインハンバーグのところに、トマトを取って転がしていた。焼きトマト? オットナ~。
……五条が、まだキッズっぽくないの食べてる。キッズぽいけど。でも、あと一個選択肢があったと思うのに、なんで。昔みんなで食べた記憶ある。五条どうしたの、変わっちゃったの?
「傑が、和風ハンバーグで、硝子がなんで? みたいな食べ物を食べるのは、納得できるんだけど」
「うん」硝子がビールを飲みながら相槌を打つ。
「なんで五条はサイコロステーキじゃないの」
「は? あれ肉とは呼ばねーし。脂っぽいだけのミンチですらないなんかじゃん」
「あれ、昔好きじゃなかった?」
「いやまあ好きだけどね???」
と言いながら五条がとろ~っととろけたチーズを掬ってお肉を口に入れた。熱いらしくウッてなっているのを耐えているのが分かる。おこちゃまじゃん。でも五条も成長したのかもしれない。だってチーズおいしそう。すごいチーズ伸びてた。チーズ。
「みんな一口ちょうだい。傑のそれはその半分でいいです」
はいつも無難なやつ頼むよね、王道こそが正義なんだよ、量産型女子? 量産以下だろ個性がない無個性、五条きらい。いらねーんだな? ごめんなさい。
私もみんなのお皿にハンバーグを分けた。私の手元には、和風ハンバーグとチーズインハンバーグのチーズなしと自分のハンバーグとステーキで1個のお肉の塊っぽいものが出来上がっている。やった!
わくわくしながら食べてみて、チーズのないチーズインハンバーグはつまりただのハンバーグだということに気付かないふりをしながら咀嚼する。おいしいから良し。チーズをくれなかった五条は目の前でキャラメルアイスミルクキャラメルフロートアイスみたいな甘すぎそうな何かを飲んでいてムカつく。あれは真顔に見えるけど、多分まあまあいけんじゃんとか思ってる顔だろう。ムカつく。チーズ寄越せよ以外の感想が沸かないしそれも一口飲みたい。
私の視線に気付いてない五条は、隣の傑のメニュー取って欲しいなぁ的な視線には直ぐに気が付いてそれを手渡した。意地悪をされているのか? それとも傑だけが特別なのか? ありがとうと手元で傑がメニューを開く。
「物足りないからもう少し頼もうかな。、次は何が食べたい? 何でもいいよ」
「え! 私は、うーん……ぜんぶすき……」
「は速く自分の食べな。既に置いてかれてるよ、ペース」
「許して。でも何でもいいから一口たべたい」
「ん-……。じゃあサイコロステーキにでもしようか」
「俺も食う。デカいのにして」
「私は生追加」
メロンソーダアイスマシマシ生クリームフロートアイス……みたいな呪文を五条がモンキー店員さんに言っているのを流し聞きながら、はふはふハンバーグをほおばる。おいしい。鉄板効果かお肉は大分焼けており、いつまで経っても熱くて全然スピード出ないけど。
野菜とステーキをもぐもぐしてる硝子と、「さすがモンキー、気が利かないな……」持って行ってもらえなかった鉄板を眺めながら暇そうにフォークで焦げを集めている傑と、付け合わせのフライドポテトをもぐもぐしている五条。
なんか、私の手元のお皿全然減らないんだけど。なんでみんな自分の食べながら私に餌付けできるの? お前もっと食えよってポテトはもういらないし、サラダは焼かないで欲しいし、店員さんがさっきのオーダーを持ってきてくれてからくれたキャラメルマキマキアートフロートアイスは氷が溶けてるよ! もらうけど。サイコロステーキは一個でいいからね。硝子! 五個ものせるな。やめて!
「もうちょい脂肪つけな」
もう充分ついてんだよ!
「クズ共、どこ見てんの。私は健全に言ってんだよ」
「ソダネ~」
「うんうん」
ぽいぽい自身の頬と私の皿にサイコロステーキをシュバババしながら、口に詰め込みすぎてほっぺがリスみたいになってる二人、やっぱり成長してないのかもしれない。私は微妙な気持ちで猫背になり胸を隠しながら食事をした。
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