恵くんとお買い物行く2
ヤオゴー。恵と二人での買い物も慣れたものだ。果物は高いからスルー、野菜や卵、お豆腐とかを買って、魚やお肉を見て、調味料を買い足したり、お菓子売り場を行ったり来たりする。それから、お惣菜を見て、冷凍食品。併設されてるパン屋さんには寄らない。安い食パンを買うか、七海のおすすめのお店で買ってきたのを、私がたまに持ってくるくらい。
今日もいつものように回り終え、終盤。決めた冷凍食品をパパッと買ってレジに並ぼうとしたところ、大人しく私の隣を歩いていた恵が止まって動かなくなった。珍しいこともあるものだ。
「……どうしたの?」
「なんでもないです」
後ろ髪を引かれるように歩き出した恵が見ていたのは、どうもアイス売り場らしい。しかもあのゾーンは、……。
「……欲しいの?」
「いえ」
欲しいのか聞くと全部いえって言う恵クオリティ。
行きましょうと私の手を引く恵の手を逆に引いて、重めのカートを引き摺って、さっき恵が覗いてたショーケースに戻ってみた。そこにはいつものように、10ポイントがつくとポップが立っている、期間限定、出たばっかりなやつ。これ去年もおいしかったシリーズのやつ。
任務帰りならホイホイ買っていったけど、……。私の記憶では、恵にこのアイスを買い与えた覚えはない。これを食べるとダメな大人になりかねないし、アイスはこれしか受け付けなくなる可能性があるためだ。まだ子供のうちからこの味を覚えてはならないと思って、思ったのに、一体どうして。
「恵。これ食べたことあった?」
「……」なん、だと。
「……どこでこの味を覚えたの?」
「そ、れは……」
しゃがんで恵の手を両手で握り真っ直ぐと恵を見ると、恵は目を逸らし言いにくそうに口を開いた。五条さんに、この間ひとくちもらって……ひとくちだけですけど……。一口しかあげなかったの!? あとは夏油さんに、ひとつもらったことが……。傑!!
「分かった。よっつ買っていって、五条ハブろう」
「えっ」
「……いや、」5つ買っていって皆で食べればお金出してもらえる気がする。確か今日、傑も来るし。
やっぱり5個買っていこうね、ってバーゲンダッツを何個もカゴにのせる。恵がパァっと嬉しそうな顔をしてカゴを覗き込んだ。かわいいね。
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