はろー
「…こんにちはー…」
そろーっと扉を開けると、ぎょろりと三名の視線が向けられた。え、三人しかいないの?
ここで説明しよう、何故私は果敢にも一人で教室にこんにちはしたのか?について。
仕方ないでしょ。寮で待ってても先生来ないんだもん。遅刻になっちゃうって、どこに行けば良かったんだっけ?教室に行けばいいんだよ、って、確か先生が話してたのを小耳に挟んだ教室の番号はここだった、って、足を踏み入れた、わけである。
目の前には白髪と黒髪と女子。女子!ッ女子!!!仲良くなりたい!
「仲良くして欲しい!」
「過度に仲良くはしたくないけど。私、家入硝子。よろしく」
「です!!」
握手してぶんぶんと腕を振る。絶対いい人だ。いい人に違いない。ぶんぶん腕を振っていると「うっとうしいからやめてくれる」冷ややかな声に振り払われ、横から新たな手が出て来た。わぁい!反射で握った。
「照れるな。私は夏油傑」
「よろしく、すぐるん!」
「なんだって?もう一度言ってくれるかな?」
「ごめんなさい」
聞かなかったことにしてあげるよと手を握り合ってぶんぶん降っているのにされるがままの彼が白髪を見る。挨拶くらいしろよ悟。悟。なるほど。さとるん。
いや、私は学習したのだ。さっきの夏油くんスマイルは背筋がひゅっとした。怖かった。だから普通に挨拶しようと思った。
「よろしく悟くん」
「話しかけんなブス」
耳を疑った。
「なんですって?ワンモアプリーズ?」
「ブ・ス。You Are Ugly」
「え、夏油くん悟くん殺していい?」
「おすすめはしないよ。悟を殺せるのは私くらいだからね」
えっ何そのマウントの取り方…?まあまあと悟くんに腕を回す夏油くん。え?もしかして二人は付き合ってる?もしそうなら納得するけど、え、待って、何?ブスって言われなかったっけ?開口一番ブスって?
「おい揃ってるかお前らー。今日は転入生を…ってヤベエ迎えに行くの忘れてたけどもう来てんな。終わり良ければすべてよし。一人で教室来れて偉いぞー。悟は何カッカしてんだ席つけー」
「ついてんだろ」
「センセー、悟くんは恥ずかしがってるんです~勘弁してやってくださいよ可哀相じゃあないですか~」
「あ゛?表出るか?」
「寂しんぼかい?」
二人がバチバチ始めた。やっと来たヨガ先生やっぱり私を忘れていた、が、二人を見て頭を抱えている。頭を抱えるといい。やっちまえもっと困らせてやれ。
私が硝子ちゃんの隣の席に着くと、ちょんちょん、と肩をつつかれたので、隣を向く。要は硝子ちゃんにつつかれたのだ。嬉しい!
「いい、アンタ。あの二人は揃ってクズだから覚えときな」
「エッッ…夏油くんも?」
「笑顔で嘘つくのが趣味。趣味悪いよあいつ」
「えぇ……私硝子ちゃんと仲良くする…。って呼んで」
「うん、。そうしな」
「うわ珍し硝子デレてんじゃん」
「マジ?」
「マジマジ、ほら見ろよ」
「うわマジでー」
「マジマジうるせぇんだよ。語彙力どこに落としてきたんだ」
「ねえ先生授業していい?」
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