猫派の夏油
「あっ、す、すぐる…ごきげんよう…それでは……」
そろりそろりと、すれ違おうとしたを引っ掴まえた。楽しいことの予感がする。
「何、理子ちゃんみたいなバンダナをしてるんだい」
「そう、バンダナだよ!パンツじゃないからね!パンツじゃ!」
「よ。何してんの?」
向こうからやってきた悟に、ふしゃーっ!とよく分からない声を出してが悟に牙を剥いた。「何、今の声?」悟がおもむろにアイマスクを下げながら近づいてくる。私も彼女を覗き込んでみると、おや、長い犬歯。彼女は「離して離して!」と藻掻いている。
「怖くないよ、。落ち着いて」
「怖がってないから!!!」
彼女の顎を持ってまじまじと観察してみる。読めてきた。しゅるり、と窮屈そうなバンダナを外してあげる。やっぱり。
ぴょこん。
「。写真撮るね?」
「っやだよ!!」
Ohと言う悟の声を聴きながら、ぱしゃ、と一枚写真を撮った。思い出は後で見返せるように一枚だけでいい、写真を撮っておきたいものだ。耳がぴこぴこ動いてて大変可愛らしい。
ネコミミをぱし、と悟にパスして、悟が片手でひし、と受け止めたので、録画に切り替える。ピコピコ動くの耳を、数秒動画に収めていく。
悟が口元を抑えていた反対の手が下がってきているのが笑える。口があんぐり開いている。は後ろから悟に抱かれながら、照れて顔を隠して俯いてしまった。私は録画停止ボタンを押して、とりあえず悟と硝子と、同期グルチャに送信しておく。これで悟もあとで怒らないだろう。
しょうがないから、ネコミミの癒しに免じて、の明日の任務はやってあげるよ。どうせこの後滅茶苦茶、だろうし。
「……!何、その耳?」
「……ちょっと呪われちゃって」
「僕を、殺す気なの?」
「あっ!っはぁ、ん、」
「何、喘いでんの…」
「さ、とるが、耳、さわるからぁ…!」
ほう。悟。悟ね。
「無理無理待って。俺中腰でしか歩けなくなる。カンベンして」
「さわさわしないで、ってばぁ!」
が悟の腕に噛み付いた。ブツリとの犬歯が刺さっている。
「あはん♥いたいいたい、いたい♥」
悟はの尻あたりから魅力的なふさふさを取り出した。尻尾だ。最高すぎる。これは今日の日付でアルバムを作った方がいい。
カメラを向けて、完全に怒ってる尻尾の写真を撮った。これなんてエロ展開なんだい?
「っ撮ら、ないでよぅ!すぐるっ、やめて、」
悟もの尻尾をクスグル、といえば聞こえはいいが、あれはシゴイてるし。ちょっとガマンできないな。私もスマホをポケットにしまって、手を伸ばしてお邪魔する。うわ、ふさふさ。堪らないな。顔を埋めてモフ尻尾をクンカクンカしたら悟に殴られた。痛いじゃないか。
「二人とも、やめて、っらめぇ!っふぁ、あ、あ――!」
耐えられないとでも言うように、の尻尾が逆立って、たわしっぽがビクビクと震えてしまった。感じちゃったの? の背筋もビクビク反れてるから完全にセックスしてるようなものだ。
私は十年以上の付き合いだから、に対して免疫と耐性があるけど、他の男がもし見たら、今日のおかずが決定しちゃうよ。凄く喘いでる。はこういう風に啼くんだね。思ったより、もっとして♥にしか聞こえない、語尾にハートついてる色っぽさで吃驚だけど、うちのにゃんこちゃんの鳴き声の方が可愛いな、ごめんね。
「やらぁ、さとる、さとる、やめてぇ、――っ!」
とにかく可哀想じゃないか悟。尻尾の付け根まで弄ってやらないの。そこは一番感じるにゃんこちゃんの性感帯だぞ。知ってるのか?
「悟。部屋でやりなよ」
「そーする」
悟が、何回かイって完全に力の抜けてるを抱っこして歩いていく。私も部屋に戻って、私のにゃんこちゃんと戯れようかな。
――あ、そうだ。
「あ、ちょっと待って。悟、10分待てるかい?」
「何かあんの?」
「いいから待ってて。最高のプレゼントをあげるから。情事中に中断嫌だろ?」
「うん」
「プレゼントが最高じゃなかったらあとで私を殺してくれて構わない。いい?部屋で待ってるんだよ。セックス見せないでね」
「分かった」
「~~っ聞き分けが良すぎる!!!」
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