「っあ、あの!狡噛監視官」

 思い立ったが吉日!今日も突撃一係した私はしっかりと狡噛監視官を見据えた。そしてまた死んだ。いいやまだ死んでいない。死にかけという表現が正しい。

「………。お前、トリか?」
「はい!」
「胸を張るな。昨日の記憶が無いのかと言ってるんだ」
「無くしてください」
「お生憎様だ」

 ため息を吐いた狡噛監視官が格好良すぎて今度こそ死んでしまった。そのうち棺でも引き摺ってきた方がいいかもしれない。とにかく今まで通りに貢物をするのは許して欲しい。

「…受け取ってください……」
「嫌だ。自分で渡せ」
「…渡してます……!?」
「ハァ?もう10分もすりゃギノも戻ってくるつってんだ」
「…宜野座監視官?」
「――お、。今日も来たのかー、お前。結構いいケツしてるよな」
「っひあ!?」
「おい佐々山――」

 慌てて立ち上がり、の尻を撫で回している不躾な手を叩き落とす。佐々山が呆れ返った目で俺を見ながら、の手から袋を奪った。
 それからが佐々山の方に一歩距離を詰めた。…お前今セクハラされてたよな? 普通逆じゃないのか?

「で、今日は何?」
「…お、お惣菜パンです……」
ちゃんさ、今度からもう3つくんない?男にゃ1つじゃ足りねえんだわ」
「…え、は、はい」
「狡噛が2つ食べるって聞かねーんだよ。別にパン好きでもないのになあ?あれ、パン好きだったっけ?」
「知ってる癖に適当言うな。パン好きなのはギノだ」

 ……そんな!!!
 奈落の底に突き落とされたような気分だ。だって!だって!一係の監視官がパン好きなんだってって!って!宜野座監視官の方だった!? そんな。
 …これは盛大に勘違いされていたかもしれない。でもそちらの方が幸いだったかもしれない。

「そういうわけだ、。出直しとけ」
「佐々山さん…ありがとうございます…さっきの手は水に流します…」