そろそろだ。完成の二文字が頭を過ぎってきている。絵具も軽くなってきている。いつも通りの穏やかな、作品に対する緊張感も変わらないのに、なんだか釈然としない気持ちが募っている。絵具のせいだろう。私はこの色を気に入っているのに悲しいったらない。
「おまわりさん、そのうち絵具が切れそうですが、どうするんですか」
「お前はどうしたい」
「この絵具で永遠絵を描いてたい」
「却下だ。こちらとしては犯人を確保したい」
「絵具をどこで手に入れたんだーとか、色々聞くんでしょうね、やだーこわーい」
「……」
「和久さんと違って誘導尋問が下手ですね、おまわりさんなのに」
「悪かったな」
「結構気が短いし。生活は適当だし、ちゃらんぽらんなところあるし、寝起き悪いし」
「お前にだけは言われたくない」
「そんなこと言っていいんですか。私が協力しないと困るくせに」
「…すまな「謝っちゃいけないんですよ。訴訟してさしあげましょうか」…やめてくれ」
「冗談です。最後まで協力しますから。普段通りにしてたらいいですか?」
「ああ、頼む」
「頼むというのもなんだかおかしくないですか」
「そうか?」
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09 (6/7)
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