うどんパ。私は一杯目は、おでんうどんにした。おでんうどんは、別々に食べても、おいしい。一緒に食べても相乗効果は特に無い。まずくはないけど、私はおでんは米派だった。
 二杯目を求めてうどんビュッフェに並ぶ。私の前では、常守さんが、二杯目に、カレーうどんをつけている。一杯目もカレーうどんを食べていた記憶がある。

「…またカレーうどんですか?」
「おいしいです!」
「…狡噛さんと常守監視官と弥生はうどん派。覚えた。志恩ちゃんは謎」
「ギノさんはパンじゃね?」
「そうだな、伸元はパンの方が喜ぶだろう。よく知ってるな」

 にこにこしている征陸さんが大変素晴らしい。今日もカッコイイ。二杯目にカレーうどんを作った私はソファの席へ帰る。一杯目にきつねうどんをチョイスした秀星は、繊細な味から食べるのがマストとか言っていた。

「秀星は?」
「んー……気分。カレーには米が勝ち気味だけど、うどんもうまい。が、中華麺カレー、あいつは失格だ」
「へー。私はカレーには白米!うどんもおいしい」

 わーい、と意味も無く、秀星とソファでハイタッチを交わした。向こうのカウンターチェアには、黙々とうどんを食べ続けている三名がいる。

「カレーには、米だ。米だ。が、うどんもたまにはいい。うまいぞ縢」
「私と征陸さんは米!秀星は気分!覚えた」

 征陸さんは一杯目にきつねうどんを食べていた。なんか懐かしさを感じるって涙ぐんでいた。秀星のご飯は人を救う。最近私は秀星に監視してもらっていれば出汁を取れるようになったので戦力にカウントされるようになった。成長した。私すごい!カレーうどんを食べる。おいしい。おいしい!

「次はうどんの話をしよう。きつねうどん、たぬきうどん、カレーうどん、おでんうどん、ざるうどん、温うどん、…サイドは、天ぷら、かまぼこ、卵、ネギ、わかめ、ノリ、…ダメだ、無限大だ。俺には想像しきれない」
「秀星、肉汁うどん。知らないの」
「なんだそれ」

 ちっちっち、と指を振る。ふはははは。

「こないだメニューにのってた。冷たいうどんを、熱い汁で、きのこ豚長ネギ?あと多分出汁?みたいので食べる」
「ほう」
「そら、埼玉県の郷土料理だ」

 さすが征陸さんは何でも知っている。歩く禁書目録だ。

「ほう。あと、香川県?ってところは、昔うどん県って呼ばれてて、蛇口からうどんが出たんだって!」
「はー!?ヤベエ!」

 カレーうどんおいしい。秀星天才。

「それは凄いですね。私、ボンジュースが出る蛇口のイベントになら、昔行ったことあります。おいしかったです」
「嬢ちゃん、それは多分愛媛県の出店じゃねえか。といっても、両方水道の蛇口から出たわけじゃないぞ」

 征陸さんの知識が世に出たら、きっと、シビュラが泣く。情報規制してる情報ばっかりだと思うから。カレーうどんおいしい。

「…確かに、蛇口のシステムを考えると、うどんを出すことは難しいだろうな。みかんの酸でパイプも錆びる。特殊なコーティングが必要だろう」

 またなんか難しいこと言ってる。狡噛さんは難しいこと考えないと死んじゃうのかもしれない。私は難しいことを考えると死ぬ。

「秀星、カレーにみかんって入れたらおいしい?」
「ほんの少しならな。カレーは大体何入れても取り込む。魔物だから」
「カレーは魔物」
「食欲の」
「魔物!」

 わーい、と秀星の謎のハイタッチを交わす。カレーうどんを食べきったので、三杯目のきつねうどんを探しに旅に出る。大食い難解思考の食欲の魔物さんも、またうどんの上に食欲の魔物をつけている。

「カレーうどん好きすぎじゃないですか?」
「…悪いかよ」

 天才的な半熟卵、天ぷら、かまぼこ、ネギ、ノリ、天かす、わかめ、ありとあらゆる用意されたしサイドなものを上から盛り付けたらうどんが見えなくなった。

「お前、ホントどうなってんの?」
「私の胃は宇宙と繋がってる。スペーストマック」
「宇宙は何カロリー必要なの?」
「うーん…無限大!ブラックホール!」
「食欲の魔物」
あははははは

 私はカレーだったの?宇宙がカレー?カレーは宇宙。私は宇宙!きつねうどんおいしい。秀星のご飯が世に出てもシビュラが泣くかも。あと秀星が過労で倒れる。世界中の人が秀星のご飯食べたくなる。秀星は天才。秀星は神。きつねうどんおいしい。

「…ああやって新しい言葉が作られるんですね」
「若者が元気なのはいいこった。嬢ちゃんもと同い年じゃないか?」
「そうです。そうなんです!私はさんと仲良くしたいのに、仲良くしたいのに塩対応をされるんです…!」
「あー、とっつぁん。塩対応っていうのは、渋い対応、素っ気ない対応、歓迎されてない対応、冷たい対応、俺に対するギノみたいな」
「コウ、伸元がどれだけお前のこと頼りにしてると思ってる」
「……とっつぁん…!」

 四杯目を頂きに席を立ったら、狡噛さんが咽び泣いていた。泣いてないけど泣いていた。彼の心が泣いていた。適当なこと言った。常守さんがこちらを見ている。

さん!仲良くしてください」

 仲良く。常守さんのお皿にカレーを一杯つけてあげた。

「ありがとうございます!神対応です!」
「あー、とっつぁん。神対応は塩対応の対義語だ」
「ダメだ。おじさんには付いていけん。嬢ちゃんはうどんで酔うのか?」
「まあ、カレーには興奮作用のあるスパイスが複数ブレンドされてるし、ありえそうだが」
「酔ってません!」
「朱ちゃん!カレーで酔うなど言語道断!うどんの極刑に処す!死ぬまでうどんを食べ続けよ!」
「ご褒美じゃないですか!食欲の魔物うどん大好きだよ!?でも私は食欲の魔物じゃないから直ぐダメになっちゃう…!悔しい…!」
「……常守が順応した…」

 征陸さんが楽しそうに笑っている。私も楽しい。秀星のご飯は人を救う!四杯目は何にしようかな。

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