「げ、自爆された」
「明日こんな感じにシビュラが爆発しないかな」
「濁るわよ」
「濁ってるもん。だって考えてみてよ、シビュラが無かったら私は自由なわけでしょ?」
「」
秀星が、私に奪われてリリースされた画面を見て、頭を掻き毟りそうな感じに唸っている。戦っているガミガミメガネはダウンしてしまった。
「海の外は大変だぞー」
「自由と支配って比例しないですよね。シビュラの中枢ってどこにあるのかな」
「君に決めた!ナノタワーじゃね?」
「野生の勘?」
「そ」
キーボードをかたかたいじって検索してみる。まあ。まっきっき、まっかっか、まっさおさおじゃないですか!
「ほんとだ電力消費量えぐいや。ってシビュラって電気?」
「びりびりー!」
「びりびりビーム!」
「超電磁砲シューッッット!」
「日本中の電気落としたらシビュラ止まるかな?非常用電源とかも。電気って水に弱かったよね」
「」
「水属性は木属性に弱い、気を付けろ。俺は今電気、相手は、あ、げ、新しいの出してきやがった、うわお前、うわ負ける、うわどうすんだよこれ!俺もう手持ちいねぇよお前のせいで!」
「行け、秀星!シビュラアタックだ!」
「し、しっびっぢゅー!!!!!!」
シビヂュウは水属性の攻撃をくらってダウンしてしまった。
「ああっ!あああ、シビュラが死んだ…」
「、いい加減にしろ」
「リセットだ。シビュセンに行くなんて俺のプライドが許さない。やっぱFPSのが楽しいな」
「ゾンビゲーの嫌い。征陸さんは?」
「げーむの話でいいんだよな?すると思うか?」
「ごめんなさい。弥生は?」
「私もしない」
「渋い。蒸らしすぎた紅茶みたい――いたっ!」
明らかに気分を害しました、ごめんなさい、弥生さんに割とマジな拳骨をされてしまった。征陸さんに笑われている。
「よくやった六合塚」
「…褒められる義理がもう無いわよ」
ぶーたれていたら腕を掴まれた。こう、背中を掴むとか、なんかないんだろうか。この人はよく私の腕を掴む。多分私この人の手だけで誰か分かる。…嫌だなそれ。…腕フェチなんだろうか?
「何するんですか。腕フェチなんですか?」
「捕獲。ったく、縢も、お前ら監視官の前でそういう会話をするな。それにオフィスにゲーム機持ってくんなって何度言ったら分かるんだ。勤務中は勤務しろ、ゲームするな。せめて休憩中にやれ。ギノの血管が切れそうだろ、見てみろ」
ガンスルーされた。
「ガミガミおじさん、さすが元監視官ですね」
「…俺をガミガミだと言うのはお前くらいだ。ガミガミメガネと言われるギノの気持ちが少しわかった。感謝する」「いったいいったいたたたたた!」「うるさいぞお前ら!減給されたいのか!」
「コウちゃんトドメさしてる」
私が犠牲になってしまい、適当に腕をひねり上げられている中、秀星がゲーム機をしまった。ガミガミおじさんがそろそろ勘弁してやろうと、私を羽交い締めにしている力を弱めたので応戦してやる。
「っあ、」
「っバカ!」
どん、と床に転がった。背中が痛いが頭は痛くない。不意を突かれた狡噛さんが、私に本気で反撃したのだ、多分無意識だ私は格闘の才能がある!ひどすぎる。痛かった。間抜けに口を開けて彼を見ていただろう私、の手を彼が掴んで引き寄せられながら後ろにこけた。逆に器用な感じだ。狡噛さんが顔を顰めて痛がっている。
「って~~…、」
「最初に手を出して来たのはそっちです」
「口を出したのはお前だ」
「うるさいですよイケおじ」
「イケおじ?」
「一番のイケおじは征陸さんですけどね」
「…イケおじ?」
ぐいぐい押し返すも微動だにしない。このイケおじは重い。筋肉で沈みそうだ。そういえば泳げるんだろうか?私の頭はイケおじさんの大きな手にばっちり守られている。
「イケおじって何だ」
「別に。頭を打たなくてすみました。ありがとうございます。退いてください」
退かなかったどころか一緒に起き上がらされてしまった。「っちょ、なにす、gyふじこlp!」怒りを感じる。彼はそのまま私の頭を胸元に抱え込んだ。
「コウちゃん顔赤くない?」
「…ほっといてくれ。子供が懐いたみたいで悪かないんだ」
ぐりぐり頭を胸板に押し付けられる。押し付けないでくださいよ!微妙に素肌が彼の胸元の素肌と触れ合っている信じられない、キメが細かい、怒りを感じる。体温があつい、抱きしめられている信じられない、この人は結構平気でセクハラをする、多分セクハラと思っていないんじゃないか。元監視官じゃないのか、なんで。私子供じゃないし、一応成人女性なんですけど。むかつく!
「でもコウちゃん、ギノさんがキレてる」
「お前らいい加減にしろ、はっ倒されたいのか!」
「こいつがいきなり礼なんて言うのが悪いんだろ俺は悪くない」
「tgyふじこlp!!!」
「うるさい黙ってろ。狡噛お前いつからそんな大好きになったんだ、見ていて鬱陶しい」
「っわ、わた、わたしは宜野座さんの方が好きでっぐぇ」
「別に好きじゃない、好きじゃないが嫌いではない」
「~~っ、!」
本気で苦しくて発声も出来ないレベルのこの馬鹿力ゴリラに必死に力を緩めてくれとテレパシーを送るも受信してもらえない。ゴリラは電気属性ではない?
「狡噛、の首が締まってる」
「休憩戻りまし―――………どういう状況ですか?」
すまん、と小さな声で落とされて、やっとぜえぜえ息を整える。死ぬかと思った。
「常守、イケおじって何だ?」
「俺も知りてえなあ」
「え、普通に、イケてるおじさんのことですけど…。何でそんなこと聞くんですか?目指してるんですか?」
征陸さんが爆笑している。顔が上げにくくなったので、ゴリラの胸に頭を付けてみる。緩んだ腕の中から出られない仕様が発生してしまった。自爆したみたいで大変癪だ。
「さっきな、が俺とコウのことをそう言ったんだよ」
「私も征陸さんはイケおじだと思います、かっこいいです!」
*
翌日、オフィスには、ゲーム機といちゃつき禁止という張り紙がされていた。遺憾の意だ。私はいちゃついてない。
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09
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