「おい」

 腕を掴まれた。椅子から立ち上がり振り払おうとしているが全くどうにもならない。狡噛さんは座っているというのに。しかも片手を自由にされている、超余裕だむかつく。ビンタでもされたいんだろうか。

「何ですか、狡噛さん、構わないで」
「で、どうして俺が嫌いなんだって?常守と縢に、恥ずかしいから黙秘すると言われたんだが」
「分かっててやってるようなところです」
「そればっかりだな。はっきり言う方が好きか?」
「言質を取ろうとしないでもらえます?心理学を齧ってますってさも当たり前の会話を展開するのが凄く嫌いです」
「そこ、うるさいぞ」
「うるさいっていうならデスクの位置変えてください」
「業務上はまともに接しろと言ってるだろう」
「これが業務だって言うんですか?手を掴まれて捕まえられていることが?」
「狡噛もいい加減にしろ」
「気にならないか?ギノ」
「性格以外は嫌いじゃないって言いました」
「項目が増えてるが」
「黙らっしゃい」

 つむじ。珍しくも見える彼の脳天にチョップを食らわせようと結構全力で下げた腕はヨッユーで捕獲された。

「知ってます?筋肉量とあそこの大きさって反比例するんですよ」
「でたらめいうな」
「食いつきがいいですね。XSなんですか?」
「知りたいか?」
「全く知りたくないです」
「人は興味が無いことは思考しもしない。知ってるか?」
「知りませんね」
「教えてやる」

 狡噛さんが立ち上がって私を引き摺っていこうとする。力が強すぎるんだこのゴリラさんは!

「いらないって言ってるでしょ!宜野座さん助けて!」
が悪い」
「何で!?宜野座さん私の扱いひどくないですか!?っああもう!」
「う゛っ」

 肩で息をしながら彼の股間を蹴り上げた。微妙に手加減はした。私は最高に偉いだろう。感触については生々しすぎて口を噤む。

08