「秀星ご飯――常守監視官」
「お前なんでスンっとすんの?朱ちゃんのこと嫌いだったっけ?」
「いや、親しくない」
「えっと、その、同い年だし、私は仲良くしたいと思ってます」
「監視官がこんなところに来ていいんですか?不良?秀星に餌付けでもされてるんですか?」
「餌付けはされてます。縢くんのご飯、おいしいから」
「そうですか」
「今日は麺パーティーだ」
「やった、私麺類大好きなんだ。そういえば、狡噛さんもうどんとか食べるよね。あ、六合塚さんも」
「私と秀星は大体何でも食べますよ。あ、秀星、担々麺リクエストする、激辛の」
「ぶっ殺すぞ」
「きゃー怖い!常守監視官助けてください!」
「え、えっと、縢くん、担々麺嫌いだったの?」
「激辛なんか味ないじゃん、辛みしかないじゃん、あれ痛みだぜ、俺そういうのムリ」
「お子ちゃまガリ!」
「ぶっ殺すぞ」
「やめたらその口癖。常守監視官がはらはらしてるよ」
「おーまーえーのーせーいーだー」
秀星に全力で頬を伸ばされる。よく伸びるなみたいな顔をされてる。大変遺憾の意だ。ぶっ殺してやろうか。
「仲、いいんだね」
常守監視官が目をぱちくりされて私たちを見ていた。すぽん、と頬を抜かれる。
「まあね。で、、何でコウちゃんのこと嫌いなの。それで俺買収されたんだけど」
「秀星そんなに担々麺食わされたかったの?」
「朱ちゃんがビビってっけど」
「…別に隠すことでもないからいいけど、ギャップ萌えがヤなんだよ」
「何だって?」
「高身長、高ルックス、高顔面偏差値、でも中身があれ」
「…待ってくださいさん、ギャップ萌え?中身があれ?」
「こう、近寄られると、まずいじゃないですか」
「………格好いいから嫌だってことですか?」
「気を付けた方がいいですよ。秀星も弥生も志恩ちゃんも征陸さんも落とされてるし、宜野座さんなんてメロメロじゃないですか」
「あっはははははやばい俺腹痛い無理メシ作れない」
ふざけたこと言いやがった秀星の鳩尾にグーパンを入れる。「ぐぇ」常守監視官は、はっと口を押さえて固まっている。「えっさん可愛い……」聞かなかったことにしよう。
「焼きそばあんかけ焼きそばかた焼きそばうどんカレーうどんきつねうどんそばラーメン冷やし中華ビーフン作って」
「っぐ、っごほ、っはあ、二つだけ原材料が違う」
「全部麺でしょ」
「ヌードル」
「イーエス。で、何でそういう話になったの?言ってなかった?」
「言ってないからこうなったんだろ。コウちゃんもギノさんもとっつぁんも知らなかったんだってさ。コウちゃんに言っとくね。実は好きの裏返しでした」
「多分もう分かってると思うよ、こないだセクハラされた時に顔に出ちゃったから」
「えっ狡噛さん!?私怒っときます、何されたんですか、あ、嫌だったらあっちで聞きます、いやでも言わなくても、私怒っときます、」
「常守監視官は優しいですね。怒っといてください。頬にちゅーされたんですよ」
「こ、狡噛さん?」
「そう、狡噛さん」
常守監視官が口を引き攣らせている。
「コウちゃんってたまにとんでもないことすっかんね」
「秀星もされたことあるの?」
「ねぇよ」
「男爵」
「ぶっ殺すぞ」
「早く、焼きそば」
「うどんからな」
「……男爵?」
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