「コロッケだ!ころころころっけ、私のおいしいお友達」
「箸を突き刺して食うな」
「その美味しさ美味しく伝えたいから、寄せ箸、菜箸、忍び足。行儀が悪いって、煙草吸う人に言われても」
「煙草と行儀は関係ない」
「じゃあ煙草に行儀でも作ったらどうですか?」
「料理人の俺が命令する。そこ、次喧嘩したらおかず没収」
「ねえ秀星、こうなるの分かってたでしょ?どうしておじさんがいるの?」
「……28はそこまでおじさんじゃない」
「おかず没収するぞ」
「ごめんなさい」
「こいつが悪い」
「コウちゃん」

 秀星が彼のおかずを取り上げた。白飯だけを虚しくも口に運ぶ彼はさぞかしシュールだ、ひたすらに。

「ざまあみろ」

 べーと舌を出したらおじさんにおかずとられた。怒りを感じる。

「秀星、聞いて。このおじさんは、料理人である秀星様の注意も聞かなかったどころか、あげくの果てに私のおかずを奪って行きました。どのように裁きを下してくださいますか?」
「うーん。それは、弱肉強食ってことで」
「よし分かった、今度秀星に私の手料理を食べさせてあげる」
「ごめん、マジでごめん、無理、ギブ」
「私のおかず一皿増やして。今すぐ。今すぐ出せ」
「これは?」
「男爵」

 あははははは、と面白かったことだけ覚えている私たちが笑っている中、狡噛さんがアウェーで困惑していた。なら出て行けばいいのに。寂しいんだろうか。置物に徹してくれているのは有難い、今日も顔はいい。

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