「嫌です!私狡噛さんのこと嫌い!」
「仕方ないだろう、諦めろ」
「宜野座監視官は私の犯罪係数が300を超えても構わないって言うんですね」
「そうならないように努めろ。たった数時間の辛抱だ。縢じゃ今回は話にならない、仕方ないだろう」
「話にならないってひどくね?ギノさん」
「事実よ」
「弥生、変わって」
「、プログラム出来ないでしょ」
「出来るようになる」
「観念しろ執行官、務めを果たしてこい」
「宜野座さんなんか嫌い!」
秀星が吹き出した。
*
そう、私は狡噛執行官さんが心の底から嫌いなんである。見た目と経歴と3高だけは最高だと思う。あとマッスルのM。彼がSなのかMなのかは私の知るところじゃない。知りたくも無い。XSかもな。
「相手が俺で悪かったな」
このうだうだ男は当てこすりのように完璧に私を殺人現場へエスコートする。その手を取って、鼻や頬に寄りそうな皺をなんとかどうにかこうにかしながら笑みを作る。望む言葉を吐いてやることは無い。そういうところが嫌いだ。肯定したら少しばかり傷つくだろうか。いや、この人はよく傷ついてるな。常に。口癖は、“俺にはやり残したことがある”。
*
「ってさー、何でそんなコウちゃんのこと嫌いになったの?」
「どうやったら好きになれるの、あの自虐おじさんを。逆に」
「えー?そのへん俺もよく知らないけど、コウちゃん普通に優しいじゃん。俺は好きだけど」
「男色?」
「ぶっ殺すぞ。これは男爵」
あははははは、と、秀星が揚げてくれた高級ポテトチップスをかじりながら考える。私はさっきこの芋をスライスするときに指の皮までスライスした。最悪だ。ついてない。ストレスのあまり。廃棄じゃもったいない。剥いた皮も揚げた。私たちみたいに。
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