「ホントに、れんしゅ、してた、だけ、で♡」
「だからさ~それ、れっきとした呪術の悪用だよ? 分かってんの~?」

 あ、分かってないからこんなことしたんだっけ? イケナイ子だねぇ、は。

「っあ♡」

 先生が後ろからお尻をぱぁんって叩いた。刺激にナカをもっと締めてしまって、勝手に気持ち良くなってしまう。

「何気持ち良くなってんの。ドMだったんだ? さすが裏垢なんて作ってるだけあるね」
「ち、が♡」
「エッチな自撮りみんなに見られて興奮しちゃうんでしょ? この姿も見てもらっちゃう?」

 カシャシャシャシャシャと背後で先生が連写している音が聞こえる。壁に手を付いて、後ろから担任の先生に犯されてるなんて、私がしたことより、おかしいのに。


「“脱げ”」
「……」

 声にのっていた呪いが僕に効くはずもないのに、ウッカリ手が動きかけちゃったし、命令口調に迂闊にもトキメキかけちゃった。
 ヘッドフォンの向こうからはゴホゴホ盛大に咳いている声が聞こえてくる。あーあ。喉潰したな。
 体付き似てるなとは思ってたけど、まさかホントにだってなんて。こんなイケナイ子に育ってたなんて先生ショック。頭抱えちゃうよ、ホント。要・教育的指導、だね。


。喉はもう良くなった?」
「え?」

 誰にも言ってないのに、どうして。五条先生だからかな?
 五条先生は、ガサリ、と結構重そうなコンビニ袋を私に差し出してきた。受け取って中を覗き込むと、大量のノドナオールが入っている。……まさか、と思ったのと、スッと目を手で翳されたのは同時だった。

「聞き覚え、あるでしょ?」

 耳元で囁かれて、ひ、と喉が引き攣る。昨日、突然降臨チキチキ先行お一人様で〆な私のMocroの相手を勝ち取ったのは、ふぁいぶさんという人だった。かなり初期から私の裏垢である匿名ちゃんをフォローしてくれている人。ちょっと際どい写真を上げれば練習台は山ほど沸いてくる。彼もその一人の筈だった。だから、いつも通り、お話したのだ。お話、というか、私にとっては、練習。脱げ、から始まって、脱いだかどうか確認したりして、最後は、忘れろ、で終わるの。別に、健全に。たまに既に脱いでる人がいるのは正直引いたけど、逆にそんな人が居るのかと分かってからは、こんな人たち相手ならこのくらいの練習許されるな、って思ってた。
 それで、昨日も。
 けれど、昨日に限っては、今まで何ともなかった私の喉は大いに潰れた。血反吐を吐きながらマイクを抜いて、チャットで『持病の喘息が!ごめんなさい!』などとふざけたことを抜かして部屋を出た。喉が潰れた瞬間に、ふぁいぶさんは私より格上のやばい人だと分かっていたが、冷静になると恐怖は募った。狙われたら、確実に、死ぬ。
 私の呪言は未完成だ。意識してしっかりと呪力を乗せないと、その効力を発揮しない。だから練習してただけですって、釈明はさせてもらえるだろうか。

「君、幸運だよ。僕君のファンだったんだよね」

 きっと、天罰が下ったのだろう。


 地下室に連れ込まれて、解呪のお時間だよ~って先生が笑う。

「な、に、するんですか」
「先生の御三家パワーで今までのパンピー全員お前のMocroに集めといてあげたからさ。はい」

 椅子に座らされ、ヘッドフォンをつけられる。目の前のパソコンの画面の中には、紛れもなく私が練習台にしてきた人たちが、私のMocro画面に入っていた。えっ御三家って人のアカウントまでログインできちゃうの……? っていうか、この人たち、私のこと忘れてるはずなのに、どうすれば。
 先生にトントンと肩をつつかれ振り向くと、「お前の呪言が滅茶苦茶なせいで微妙な健忘症に悩んでるんだってよ。ちゃんと忘れてもらいなさい、僕が手伝うから」って。はい、って目を閉じると、先生が呪力操作を手伝ってくれてるのが良く分かる。抜群の安定性の中、“忘れろ”って、呪力を込めて呟いた。目を開けるとパソコンは既にシャットダウンの作業に入っていた。

「良く出来たね。もうこんなえっちな裏垢やめなさいよ~?」
「……もちろんです」

 椅子がくるりと回されて、先生に見下ろされる。おちゃらけている口調だから油断していたけど、どうも雰囲気は深刻そのものだ。背筋が伸びる。怒られるやつだ。

「で、なんでこんなことしたの」
「そ、れは。呪言の練習を、したくて。変なことは一切してません。脱いだの確認したら、忘れろって言って、終わってました」
「それ一般人にやって許されると思ってんの?」

 私は唇をぐっと噛み先生を見据える。極めて反抗的な意思を表しているって自覚はある。だって。裏垢なんてものに集ってくるような人に何したって。ちょっとくらいなら。日常生活に支障が出ないくらいならいいじゃんって。

「ダメに決まってんでしょ。お前がやったことは立派な呪術規定違反だよ。どうなるか分かってる?」
「あ……」

 先生のことが、怖かった。目隠しを取り払って、冷たい目で私を見下ろす先生のことが。いつもは優しい天色の目が、今はひどく怖い。

「どうするのが良いと思う?」

 手が取られて、先生の頬に添えられる。密着した体のお腹辺りに熱い昂りを感じた。

「僕も写真越しに呪力は見えないからさ。匿名ちゃんのファンだったのはホントなんだよねぇ」

 はっと止まっていた息を再開して、唾を呑み込む。
 もし、先生が見逃してくれるなら、きっとどうにかなる。先生の言うことを聞けば。聞かなきゃ、呪術規定に則って、処分されるだろう。こんな交換条件、さっき先生が言った通り、幸運以外の何物でもない。初めてってわけでもないし、それだけで。それだけで死ななくて済むのだ。

「……な、んでも。なんでもします」
「懸命だね。じゃ、脱いで」

 見上げた先生はうっそり笑ってた。私に拒否権なんか無い。冒頭に戻る。


「ホントに、れんしゅ、してた、だけ、で♡」
「だからさ~それ、れっきとした呪術の悪用だよ? 分かってんの~?」

 あ、分かってないからこんなことしたんだっけ? イケナイ子だねぇ、は。

「っあ♡」

 先生が後ろからお尻をぱぁんって叩く。刺激にナカをもっと締めてしまって、勝手に気持ち良くなってしまう。

「何気持ち良くなってんの。ドMだったんだ? さすが裏垢なんて作ってるだけあるね」
「ち、が♡」
「エッチな自撮りみんなに見られて興奮しちゃうんでしょ? この姿も見てもらっちゃう?」

 カシャシャシャシャシャと背後で先生が連写している音が聞こえる。壁に手を付いて、後ろから担任の先生に犯されてるなんて、私がしたことより、おかしいのに。

「っあ♡ 撮られたの感じちゃった? もっと締まったね♡」
「感じて、ない、です♡」
「そんなメロメロな声で言われてもぜ~んぜん説得力ないよ。匿名ちゃんのエッチなお尻もおっぱいも、僕大好きだったんだよねえ」
「きゃっあ♡ 叩かないで、だめ♡ ごじょ、せんせぇ♡」
「絶対アヘ顔晒してんでしょ。後でいっぱい見してもらお~。おっぱいもふにふにだしさぁ、よくもこんなやらしく、ココだけ育て上げたもんだよ。いっちょまえに僕のこと、欲情、させて、っさぁ♡」
「ああっ♡ 奥、奥やだぁ!」
「気持ち、良さそうだけど、ね。っく、っはあ、吸い付いてくる、堪んね、」
「も、イっちゃ、イく、イく、せんせ、イっ――~~っ!!」
「あっは、いいエビ反り。っ僕も、イきそ」

 きゅんきゅんして止まらないそこに、何度も何度も先生の熱いモノが打ち付けられる。味わったことのないセックスに、理性は手放しかけていて、脳天には絶えず星が散っている。イってるのに、イかされて、もうずっとイってるようなものだ。一突き一突きが重すぎる。

「っほら、。ごめんなさい、は?」
「ごめん、なさい♡ ごめんなさい♡ 許して、ください」
「僕の精液、子宮でゴックンできたらみ~んな許してくれるよ♡」
「そ、んな、っひゃ、ああっ♡」
「ま、それで今日デキなくても、僕優しいから何回でも付き合ってあげる。許して欲しいんだもんね♡」
「ぅ~~、っあ、っひぅ、あ~~♡」
「泣いたって、許してやんないよ♡ っあ゛、イキそ……♡」

 孕んだら許してくれるって、そんなの、ひどい。泣きぬれながらも、ぎゅうぎゅう先生を締め付けるそこに言うことをきかせることなんて出来なくて、射精を誘ってしまう。瞼の裏がチカチカする。快楽が体を突き抜ける。気持ち良すぎて、どうしようもない。

「許して欲しかったら、ちゃんと僕の全部、のむんだよ♡ ~~っあ♡」

 次第に律動がこれ以上ないくらい激しくなっていって、奥をこじあけるかのように腰を打ち付けられた。きもちよすぎて、もうトんでもいっか、なんて思えてしまうくらい、もう全てが気持ち良かった。暴力的なまでの快感を与えられてしまえば、ただただそれを甘受する以外に出来ることなんて無いのだ。先生の大きなソレが大きく震えて、じわりとした温かを感じても、どうすることもできない。それどころか、ぐりぐり最奥に押し付けられる気持ち良さに体をよじって善がってしまう。きもちい。きもちいい。はーはー言ってる先生の息が背中にかかるのですら気持ち良くて、背筋の震えが止まらない。

「もー、何、人のチンコでオナニーしてんの」
「して、ない、です。もう、ごっくん、したから」

 抜いて欲しいと見詰めると、先生は私の要望通りにそれを抜いてくれた。笑っている膝で立ってられるわけもなく、床に膝をつく。崩れ落ちなかったのは、先生が私を支えてくれたからだ。

「あーあー、よだれ垂れてるよ。トロ顔しちゃってさぁ……」

 先生に見詰められて頭を撫でられるのに心地よくなりながら、導かれるままに手を添える。……まだ、するのかな。

「はい。休んでる暇なんてないよ? ちっちゃいお口で大変だと思うけど、お掃除ヨロシクね」

 ぺちん、と半勃ちのそれで頬を叩かれた。下腹部から、ドロリとしたものが溢れていくのを感じる。それから、先生に促されるままに、なでて、にぎって、なめて、くわえて。
 許して、くれるかな。丁寧にお掃除して、口を離して先生を見上げると、先生は熱に浮かされた表情で私を見下ろしていた。続けて、というように首の裏を撫でられる。その曖昧な刺激に頭を震わせてしまいながら、今度は深くまで、しっかりとくわえた。
 しゃぶっていると、先生の好きなとこも、好きなことも分かって来て、落ちてくる吐息に気分が良くなっていく。もっと気持ち良くなればいいんだって。早く出して、もう終わって欲しいって。

「あっ、それ、気持ちいい。上手」

 でも、上手にできると、甘い声で褒められて、優しく頭を撫でられるから、胸がざわざわして、先生を好きになってしまいそうになる。さっきまでこのおっきいのが私のナカに入ってて、滅茶苦茶にしていたんだって、嫌でも意識してしまう。さっきみたいにこれを入れて欲しいって、滅茶苦茶にして欲しいって。口内から直接あがってくる先生のにおいが脳から私を犯していく。

「フェラ顔、頂き~」
「んん゛!?」

 抗議の声を上げても、勿論先生は連写をやめてなんかくれない。それどころか一層ひどく喉奥まで打ち付けてきて、射精しようとしているのが分かった。苦しくて涙が滲んできて、嗚咽を必死で耐える。それでも、喉を窄めて舌を使って、一生懸命にご奉仕する。だからお願い、写真だけは消して欲しい。今までだって、顔うつしてるのは、撮ってないし、そんなのやだ。

「っは、出る、出る出る……――っあ゛、……く♡」

 息を詰めた先生があんまり奥に出すから、どろどろの苦みが勝手に喉を落ちていってしまう。にがい、きもちわるい。きもちわるいのに、ハッハッと息を切らす先生はひどく綺麗でやらしくて、鼻に上がって来る雄臭さにあそこがキュンとしてしまう。さっきコレが注がれたんだ、なんて、また思い出したら止まらない。

「エッロい顔して、誘ってる? 残念ながら僕、まだまだいけま~す」

 抱き上げられ、鼻先にキスを落とされた。恍惚としてしまったのは、歓喜からか、はたまた絶望からか。

ネットで呪言の練習してただけなのにまさかの五条先生に当たって終わった