いぬもちを作った人は天才だ。ソファで、いぬもち二匹の上に座ってバランスを取らずに委ねながら一匹を抱え込む私と、更にそんな私をあぐらの中に抱え込んでいる慎也さんの図が出来上がっている。温かい。
 慎也さんはさっきまで投影スクリーンをいじっていたが、私はずっとそんな彼に身体を預けて満喫していた。しかし投影スクリーンを閉じてしばらく、慎也さんが私をぎゅっと抱き締めてくれて、嬉しくて振り返ったら、散々唇を塞がれてしまい、結局今、この極楽リラックスタイムは慎也さんによって破壊されている。
 いぬもちとの間を縫っていった手が、私の胸元をまさぐっているのだ。主張を感じる。どうにかキスを宥めて、私の胸元を撫でているその手に、更にいぬもちを押し当てて抵抗してみるが、抵抗虚しい。諦めない彼と、柔らかいいぬもちのせいで、その手を無効化することは不可能であった。

「……するんですか?」
「…悪い」
「……別に悪くないですけど、昨日も散々したじゃないですか、どうしてそんなに元気なんですか」
「俺にも分からん。急にシたくなった」

 はあ。振り向いたら、慎也さんが私の頬に手を当てて、また唇を塞いだ。正直言って、腰の調子は全快では全く無いので、…だってこの人昨日、確か三回くらいしたのだ、意味が分からない。もう無理ですって何回も言ったのに。すまん、とか、悪い、とか、言われても、…止められないんだ、とか苦し気なはにかみ顔で言われたら拒めないじゃないか。慎也さんに触れられるのも、触れるのも好きだけど、…だからといって、せめて二回にして欲しい。体力の消耗が激しい。たまには純粋に触れ合うだけの日が欲しい。慎也さんは元気すぎる。
 だから、そういうことには少し拗ねている私はつんと顔を背けて前を向いた。というのに、髪をよけられたと思ったら、うなじを吸われている。

「っちょっと、」

 パジャマのボタンを次々あけられて、いとも簡単に剥がされていく可哀そうなパジャマ、露出した首回りにちゅっちゅ唇を当てつけられている。音を鳴らさないで欲しい、絶対わざとやってる。

「慎也さん」

 抗議の声を上げたら、首筋を甘噛みされて力が抜ける。ぱちり、と音が聞こえたと思ったら、圧迫感が無くなって、直接胸元を触られているし、なんだかもう恥ずかしい。何回もしてるはずなのに全くなれない。電気も消してほしい。恥ずかしい。

「電気、消してください」
「嫌だ」

 やだ、って囁かれたけど、低音は耳に悪い、響いてしまう。ぞくぞくしてしまって、下腹部がうずいたのが分かってしまい、頬に熱がのぼってくる。慎也さんが、何もかもお見通しだというように、くくっと笑った。ゴリラめ。

「お前、結構俺の声好きだろ」
「………声だけじゃないですもん」
「……ハァ。お前、いつも変なところで煽るな。止まらなくなる」